メインイメージ パソコンスマホ共通

人間の土地

友杉宣大の一人プロジェクト。作者の分身でもあり自画像でもある猫が、会期中、会場を巡る旅に出ます。独力で進むキャンピングトレーラー型の車は、自由の象徴。部屋の中に、絵画や立体を展示します。幸せを運び、閉じ込められた心の解放を目指して各展示会場を回ります。

 詳  細 

【日にち】 2017年3月2日(木) 〜 3月5日(日)

【時間】 13:00〜18:00 

【場所】 B.Esta337

展示会場地図

〒110-0016 東京都台東区台東3丁目3番7号

・大江戸線 つくばエクスプレス「新御徒町」駅 A2出口から徒歩5分
・日比谷線「仲御徒町」駅 1出口から徒歩6分
・JR「御徒町」駅 南口から徒歩9分 

主催:「まつりのあとに」実行委員会

 アーティスト 

▌ 友杉宣大 Tomosugi Norihiro

昨年から旅と人間の尊敬をテーマに絵画・彫刻を制作。大手アパレル企業で働きグローバル資本主義の現実を観察。2015年シェル美術賞展入選。愛知県立旭ヶ丘高校美術科卒業後、筑波大学芸術専門学群卒業。日本大学修士課程絵画専攻修了。愛知県出身。

「人間の土地」

   展示の中で描き出した猫は旅をします。自分の家に同居しているトラとコマです。元々、旅に出るのが好きな動物です。好きと言うより、何かに駆られて追い立てられるように旅に出ます。戻って来なかったりもします。出て行った先の土地が生存上有利なら住みます。ある程度時間が過ぎると何かに駆られてまた旅に出ます。頻繁に縄張を変える動物です。
   これは自分も同じです。と言うより人間の振舞いと同じです。所属する社会の体系と時間の流れの速度が違うだけで。何代も続く農家でも、長い時間の果てに土地を移動します。
   生存上有利な土地とは?猫は生まれつき知っています。人間も本当は知っているはずですが、社会が複雑になって忘れています。豊かな集団の中にいれば長生き出来るかもしれません。しかし集団を成り立たせる為に多すぎるルールに従属する必要があります。結果かえって不幸に見える人が出て来ます。今の所、人間の生まれつき持っている欲望を原動力にした社会体制、資本主義より良い方法は見つかりません。簡単に出て行く事も出来ないこの社会。
   不幸な境遇でも文化があれば心は豊かです。自分にとっては一種の修業でもある絵を描くこと、彫刻を作ることが心を豊かにします。文化は作り手も受け手も平等だから、受け手になることも豊かになる方法です。自分の過去を思えば飲まず食わず寒さに震え、または鬱になるような極限状態で見た絵が、描いた絵が、どんなに救いになったことか。
   今回の展示で猫はキャンピングトレーラーで旅に出ます。心を豊かにする為に、自由に移動できる方法です。どこでも寝泊りできるし、困っている人を保護することもできるかもしれません。災害に襲われてもかなりの程度大丈夫。独立自尊の状態になれば、人助けをする余裕もできる。自分の力で自由に進んで行く精神が好きです。
   トラとコマの名前は江戸時代の絵本『朧月猫の草子』(山東京山・作、歌川国芳・絵)から取りました。主人公の雌猫おコマと情夫の雄猫トラさんの冒険物語です。
   絵担当の国芳も浮世(憂き世、辛い世の中)を自由の精神で描いた人です。浮世絵師として武者絵などとは別に沢山の猫の絵も描きました。猫飼ってた伝承あり。

友杉宣大

ページトップヘ HOME